戌亥とこ・VTuber Fes Japan特別インタビュー 「誰かの記憶に残ることができたら嬉しい」

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©ANYCOLOR, Inc.

4月29、30日、幕張メッセの「ニコニコ超会議 2022」内で開催されるバーチャルアーティストによる音楽&トークライブフェス「VTuber Fes Japan 2022関連記事)。

PANORAでは、音楽ステージに出演する人気VTuberへのインタビューを10回に渡って掲載している。最終回では、「DAY1」に出演する、にじさんじの戌亥とこさんに、久しぶりの出演が実現するリアル会場でのライブに対する思いなどを語ってもらった(以下、敬称略)。


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会場でみんなに会えることが一番嬉しい

──VTuber Fes Japan 2022への出演オファーが届いたときの率直な心境を教えてください。

戌亥 私、出演者の人がいっぱいいるイベントとかで、いろいろな人と共演できるのが嬉しいので、「やったー」って感じでした。こういうイベントって、参加する人が多ければ多いほどいいですよね。にぎやかで、お祭りっぽくて。


──戌亥さんは、「フェス」というイベントにどのような印象をもっていますか? 

戌亥 行ったことが無いから完全に私の偏見ですけど、陽キャの集まり(笑)。というか、こういうイベントに大勢の人が集まったら、楽しくて、みんな陽キャになるんです。今、「自分は陽キャじゃないから」と思ってる人も、来てくれたら勝手に陽キャになります。多分(笑)


──新型コロナの世界規模の感染拡大が始まって以降、リアル会場でのライブやイベントの開催が難しくなり、戌亥さんが出演予定だった1月の「にじさんじ 4th Anniversary LIVE『FANTASIA』」も開催直前に中止になりました。そういった残念な出来事も体験してきた中で、リアル会場でのイベントやライブに対する意識に変化はありましたか?

戌亥 私、1月の4周年ライブだけではなくて、前の年にも中止や延期をけっこう経験してきました。自分が出ていないイベントとかも中止や延期になったり、配信のみでの開催に変わったりしているのをたくさん見てきて。そういうときも、お客さんの「やっぱり現地に行きたかったな」って感想が多かったんですよね。だから、このフェスみたいな(リアル会場の)ライブは、自分がステージに立てる嬉しさもありますが、会場にみんなが来てくれて、そこで会えるということが一番嬉しいです。


──では、出演予定のイベントが中止などになったときは、ご自身が残念なのは当然ですが、ファンを悲しませてしまうことも辛かったのでは?

戌亥 そこが一番、辛いことですね。みんな、そのイベントに向けて「仕事を頑張る」とか「勉強を頑張る」とか言ってくれてたりしたし。イベントのために、スケジュールを空けてくれたり、遠くから来てくれる予定を立ててくれたことも知ってたので。


ただずっと「楽しいな」と思って歌っている

──先月、戌亥さんはデビュー3周年を迎えましたが、この3年間の間にたくさんのステージに立ち、オリジナル曲を3曲発表し、ソロライブも開催されました。そういった音楽活動を通して、歌うことに対する意識、歌うことの意味などに変化はありましたか?

戌亥 事前に質問のリストをいただいてたから、今日ずっと、この質問の答えを考えていたんですけど……変化は無いです(笑)


──全然、変わらない感じですか?

戌亥 ずっと、楽しいです!


──そうなんですね(笑)。いろいろな経験を重ねると、良くも悪くも変化があるものなのかと想像していたのですが。

戌亥 いろいろなイベントに出させていただく中で、そのありがたみとかは、もちろん感じてるんですけど。歌うことの意味とかは変わらなくて。ただずっと「楽しいな」と思って歌っているだけです。今日、ず~っと考えてたけど、かっこいい答えは、なんにも思い浮かびませんでした(笑)


──熟考していただき、ありがとうございます(笑)。少し話は変わるのですが、戌亥さんが、お友達の星街すいせいさん(VTuber Fes Japan 2022にも出演)と一緒に配信している「とこまちラジオ(仮)」の第14回では、今年の抱負を聞かれて、困りながらも「歌います」と答えていました。これからも続けたい好きなこと、楽しいことの一番上にあるのが「歌うこと」というのも、ずっと変わらないですか?

戌亥 歌うか喋るか、どっちかですね(笑)


──たしかに、戌亥さんの配信は、雑談配信も多いです。本当にライバーデビューしてからずっと、変わらず好きなことを中心に活動を続けてきたのですね。

戌亥 それは変わらないけど、(活動の)楽しさは増していると思います。ANYCOLOR(にじさんじの運営会社)さんのおかげで、いろいろな経験もさせてもらえているので。


──でも、戌亥さんは、いつも自然体な印象があるので、例えば、運営さんに「あれがしたい! これがしたい!」などと、ガツガツ積極的にリクエストをしてそうな印象はありません。活動を続ける中、自然に、いろいろな夢を叶えたりできるチャンスが巡ってきた感じですか?

戌亥 そうですね。にじさんじには、たくさんのライバーさんがいて。ソロライブとかでステージに立つ楽しさを実感したからこそ、自分だけではなく、他のライバーさんたちも、そういう経験がいっぱいできたら良いなと思っているので。だから、これからも、自分だけが短期間で何度もというよりは、変わらないペースで、ゆっくりゆっくり一個ずつやっていけたらと思っています。


オリジナル曲は、いろんなものが混ざり合ってできている

──VTuber Fes Japan 2022のステージで戌亥さんが歌うのは、オリジナルソングか、カバー曲かも発表されていないのですが、この機会にオリジナルソングについてもお話を聞かせてください。『地獄屋八丁荒らし』『Engaged Stories』『初恋』は、どれもまったく印象の異なる曲ですが、それぞれ、どのようなことを考えて制作されたのでしょうか?

戌亥 毎回、前の曲とは似てない曲にしたいということは、なんとなく意識していて。テーマに関しても、1曲目の『地獄屋八丁荒らし』は、「戌亥とこって何?」っていうキャラクター性みたいなことがテーマなんですけど、2曲目の『Engaged Stories』は、ファンの人へのメッセージをテーマにしました。


──3曲目の『初恋』は、長野県小諸市のこもろ観光局とのコラボ曲ですが、曲調などに関して、小諸市サイドからのオーダーはあったのですか?

戌亥 曲調とかの指定はなかったんですけど、(小諸市と縁のある作家の)島崎藤村さんの『初恋』という詞をテーマにした曲をということで、ああいったおセンチでノスタルジックな曲になりました。


──曲作りの際、特にこだわっていることはありますか?

戌亥 私自身は、曲を作ることはできないから、曲ができあがった後に「このへんはこうやって歌いたいな」とか考えて、収録のときにそうやって歌ってみる程度です。もちろん、クリエイターさんにはクリエイターさんのイメージもあるので、いろいろと試しつつ、「あ、こっちの方がええね」みたいに一緒に探りながら作っていく感じです。


──では、レコーディングが終わるまでは、戌亥さんにもクリエイターさんにも、最終的な完成形が明確に見えているわけではなく。収録しながら一緒に完成させていく感じですか?

戌亥 そうです、そうです。一人で練習してるときは、「ここは、こういう風に歌うのがいいかな」と思っていても、当日「ちょっと、こういう感じで歌ってみてもらえますか」って言われて。思ってたのと違う歌い方を試してみたら、「こっちの方がいい!」みたいなこともよくあるし。いろんなものが混ざり合ってできています。


ここで、お互いに楽しい思い出が作れたらいいな

──4月29日の「DAY1」のステージで、戌亥さんがどんな曲を歌うかは、当然、当日のお楽しみなのですが、戌亥さん自身が選んだ曲を歌うのであれば、どんな思いを込めて、その曲を選んだのかヒントだけでも伺えませんか?

戌亥 すごくいい曲なので、ただただ広まって欲しいという一心で歌います。


──先日、VTuber Fes Japan 2022のオリジナルテーマ曲『ピース!!』が発表されました。セットリストは明かせないので、戌亥さんが歌うかどうかは言えないと思うのですが、一応、曲を聴いたときの感想を教えてください。

戌亥 一人で歌ったり、自分で曲を選ぶってときには、あまり歌わないタイプの曲で、「こんな明るい曲、めったに歌わへんな」って(笑)。だから、私にとっては、歌うのは楽しいけれど、難しいタイプの曲。でも、この曲を大人数で歌ったら、絶対に感動すると思いました。


──VTuber Fes Japan 2022では、どんなパフォーマンスを見せて、お客さんにどんな気持ちになって欲しいと思っていますか?

戌亥 ライブを観終わった夜くらいに、「なんかあれ、かっこよかったな」みたいな感じで、戌亥とこを思い出して欲しいですね。そういう形で、ぼんやりとでも誰かの記憶に残ることができたら嬉しいです。


──最後に、VTuber Fes Japan 2022を楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします。

戌亥 私も、フェスの当日をすごい楽しみにしている一人です。みんなにとっても、私にとっても、いろいろと辛い時期が続いたので、ここで、お互いに楽しい思い出が作れたら良いなと思います。


(Text by Daisuke Marumoto


<VTuber Fes Japan 2022 Supported by Paidy 開催概要>
・主催:ドワンゴ
・日程:2022年4月29日(金・祝)、30日(土)
・会場:幕張メッセ ニコニコ超会議2022特設ステージ
・ニコニコ生放送配信URL:
 DAY1:4月29日(金・祝)開演 14:30~
 https://live.nicovideo.jp/watch/lv336038713

 DAY2:4月30日(土)開演:14:00~
 https://live.nicovideo.jp/watch/lv336038799

 
●関連リンク
VTuber Fes Japan 2022(公式サイト)
VTuber Fes Japan 2022(Twitter)
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