新潟のご当地VTuber越後屋ときな、1stワンマンライブ「Fly High!」を無料配信 オリジナル8曲を含む10曲を熱唱【PR】

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10月29日、新潟生まれ新潟育ちのVTuber・越後屋ときなが、1stワンマンライブ「Fly High!」を開催。10月10日にリリースした1stアルバム「Fly High!」に収録されたオリジナルソング8曲や、人気ボカロ曲のカバーなど全10曲を披露している。

当初は、「がたふぇすVol.12」(第12回にいがたアニメ・マンガフェスティバル)のステージイベントとして、10月16日に新潟市民プラザで行われるはずだったが、コロナ禍の影響で同フェスの中止が決定。日程を変更し、オンライン限定ライブとして、自身のYouTubeチャンネル「ときなの巣箱【TOKINA Channel】」での無料配信となった。

1stワンマンとは思えないほど安定したパフォーマンスや、華やかなステージ演出などに驚かされた、約70分のオンラインライブをレポートする。


初めてのライブ自己紹介のラップ曲で開幕!

ときなのかわいい姿が映された待機画面を眺めること数分、ライブはまさかの実写映像から開幕。悠々と空を飛ぶ朱鷺の映像の後、カメラがライブ会場へと切り替わり、初披露の赤いライブ衣装を着たときなが上空からゆっくりとステージへ舞い降りた。

「やっほー! みんなー。新潟出身VTuber、越後屋ときなだよ~」と元気にあいさつ。1曲目は、あいさつから始まる自己紹介曲「YAHHOO! I’m TOKINA!」。聴いているだけで、地元である新潟と歌うことが大好きというときなの活動内容や目標などもわかるラップパートの歌詞は、「ときっこ」(ファンの愛称)からのアイデアをベースに作られたものだ。

「Oneman LIVEは夢の舞台 みんなとLIVEで歌いたい」というフレーズもあり、1stワンマンライブの開幕にはぴったりの曲だ。緩やかな曲調と柔らかな歌声により、優しい空気に包まれながらライブは始まった。

「越後屋ときな、1stワンマンライブ『Fly High!』、スタートです!」と宣言し、うれしそうにはしゃいだ後は、改めて自己紹介。そして、一度は諦めかけた初めてのライブが無事に開催できた喜びと、いつも支えてくれるファンへの感謝を語った。

2曲目は、ゆったりと始まるイントロから次第にテンポが上がっていく「walk with you」。ステージ上には無数の花びらが舞い、アグレッシブに歌い踊るときなの姿を照明がさらに引き立てる。

3曲目の「Internet Night Party」は、冒頭からさらにアップテンポでダンサブルな楽曲。サビでのステップや、高くジャンプする姿もかわいらしい。

MCでは、ときなの相方「のどぐろ」が登場。新潟の名物でもある高級魚・のどぐろを模したマスコットで、大きく開いた口の中に、もう一つ顔がある姿はシュールだが、不思議とかわいい。のどぐろとの掛け合いで、1stライブのために準備した新衣装を紹介するときな。朱鷺の色でもある赤色がポイントになっているこの衣装の制作は、友人の猫又VTuber武良崎ゆきさんが手掛けたそうだ。

空中に浮かんで話していたのどぐろは、ときなを激励した後、大きな水しぶきを上げながら退場。歌唱中の演出も含めて、バーチャル空間ならではの楽しい演出が随所に見られる。


大輪の花火にも負けない魅力的なパフォーマンス

4曲目の「風吹けば」は、ときなの紹介によると「レゲトンとヒップホップとフューチャーべースと和を掛け合わせ、とっても新しいサウンドに挑戦した曲」。その言葉通りの曲なのだが、ときなの澄み切った歌声と優雅なダンスや、黄昏色に染まったステージの印象もあいまってか、最初は和の空気を特に強く感じていた。

しかし、その印象はクライマックスのドロップで一変。エスニックな曲調に合わせて、ときなのダンスも激しくなり、黄昏の景色だったはずのステージでは激しく火の粉が舞い始める。

さらに大サビでは、夜空に無数の花火が打ち上がる。その光は鏡面のステージの床にくっきりと反射し、ときなが花火に包まれながら踊っているような美しく幻想的な光景を作り出した。

壮大なスケール感を感じさせるミドルナンバー「Future Scene」でも、歌声はもちろん、細やかな手振りが印象的なダンスに惹きつけられた。

続くMCでは、のどぐろが再び登場。ときなにはサプライズで、石川県の忍者系VTuber朝ノ瑠璃さん、沖縄のご当地・VTuber根間ういさんら過去にコラボをしたVTuber仲間や、ときなの最初のオリジナル曲「TOKI NICE DAY!」を手掛けた人気ボカロPのEasyPopさんたちのボイスメッセージが紹介された。


「ハッピーシンセサイザ」など超人気曲のカバーも

MC明けはカバー曲のコーナー。まずは、YOASOBIの「夜に駆ける」がフューチャーべースアレンジで披露。澄んだ歌声と軽やかで切れのあるダンスというときなの魅力を楽しむのにはぴったりのダンサブルなアレンジだ。

続いては、EasyPopさんの代表曲で、VTuber界の歌ってみた動画の定番でもある超人気ボカロ曲「ハッピーシンセサイザ」。ときながデビュー直後に初めて投稿した歌動画の曲で、本人にとってもファンにとっても思い出の曲。高音まで澄み切った彼女の歌声は、ボカロ曲とも好相性だ。ちなみに、EasyPopさんもときなと同じ新潟出身で、彼女が「ハッピーシンセサイザ」を投稿したことから縁がつながり、初オリジナルソング「TOKI NICE DAY!」が生まれたそうだ。

8曲目は、その「TOKI NICE DAY!」。「ハッピーシンセサイザ」と同様に、ポップなメロディがポジティブな歌詞やときなの歌声にぴったりマッチ。間奏では転調したメロディーに合わせてダンスもクールな振り付けになり、1stライブの終盤でまた新たな一面を見せてくれた。

MCでは、改めて、1stワンマンライブへと導いてくれたファンへ感謝のメッセージを述べた後、次が最後の曲だと紹介。同時に、ファンからのアンコールも期待していると正直に話してしまうのも初ワンマンらしくて初々しい。

ライブ本編最後の曲は、おそらくときなのオリジナル曲の中でBPMが最速の「Thank you Magical」。コミカルでキュートなアイドル曲で、笑顔で歌い踊る彼女がますますかわいく映る。ステージも、衣装に合わせた赤色に変わり、ライブのクライマックスを盛り上げる。


1stライブのその先を感じさせるアンコール

「Thank you Magical」を歌い終えたときながステージを去り、画面が真っ暗になると、またまた、のどぐろが登場。スポットライトに照らされながら、配信を観ているファンを先導し、「ときな! ときな!」と彼女にアンコールを呼びかける。その声とファンの思いに応えて、ときながステージに再登場。すると、のどぐろは、またも水しぶきを上げながら即座に退場した。

「ときなとの特別なひととき、楽しんでいただけましたかー?」と呼びかけた後、歌うことを中心とした自身の活動に込めた思いを語るときな。

「ときなは、自分らしく楽しんで活動ができて、本当に幸せです。ときながいることで皆さんを笑顔にして、少しでも良いので生きる勇気をプレゼントできればなって思っています。そして、ときなはこれからも歌うことをずーっとずーっと続けていこうと思っています。ときっこの皆さんにたくさんの音楽が届けられますように。歌い続けることで、よりたくさんの人と出会えますように。そして、新潟の魅力を全世界に届けられますように」

「おわっちゃうのヤダー!」とかわいく駄々をこねた後、いつか実現するはずの次のライブに向けての思いも語り、披露した最後の曲は、「anywhere」。穏やかな朝の目覚めのような印象の静かなエレクトロニカで、新しい出発の予感も感じさせる。ファンと一緒にさらに楽しい未来を目指すときなの1stライブを締めくくるのに相応しい曲だ。

「素敵な未来に向かって~Fly High! 越後屋ときなでした! まったね~」

明るいあいさつとともに、1stワンマンライブを大成功させたときなが退場し、無人になったステージにのどぐろが現れる。何事かと思って見ていると、横を向いたのどぐろの身体の側面がアップになり、そこにはこのライブの制作に携わったクリエイターや、メッセージを送ったゲストたちの名前が。最後の最後まで、バーチャルライブならではの遊び心が楽しい。

デビューからわずか1年3ヵ月の間に、8曲ものオリジナルソングを収録した1stアルバム「Fly High!」をリリース(「BOOTH」の「越後屋ときな OFFICIAL STORE」で販売中)。さらに、1stワンマンライブを大成功させた越後屋ときな。大手のVTuber事務所所属ではない地方のご当地VTuberがそれを成し遂げたことに、VTuber界の裾野の広がりを感じた。

その存在が少しでも気になった人は、「ときなの巣箱【TOKINA Channel】」で全編無料視聴できる1stワンマンライブ「Fly High!」のアーカイブをぜひ見てほしい。高い歌唱力や可憐なダンス、名曲揃いのオリジナルソングに、曲ごとに変化する照明やステージ演出など、約70分間、目が離せなくなる魅力がステージに詰まっている。筆者の勧めは、20分37秒ごろからの「風吹けば」と「Future Scene」。壮大なスケール感を感じる2曲のパフォーマンスだけでもチェックしてほしい。

(TEXT by Daisuke Marumoto


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