「Cinderella switch ~ふたりでみるホロライブ~」vol.5徹底レポート フブミオのパフォーマンスをデート気分で堪能

LINEで送る
Pocket

ステージとの距離や次元の違いを軽々と飛び越えられるVRライブの楽しさが詰まった人気企画「Cinderella switch ~ふたりでみるホロライブ~」の第5弾が、4月24日にバーチャルライブプラットフォーム「VARK」で開催された。

「Cinderella switch」は、2人のホロメンのうち一人がライブを演じ、もう一人が参加者の隣で一緒にライブを見るという、文字通り「ふたりでみる」趣向の企画だ。第5弾の出演者は、ホロライブ1期生兼ホロライブゲーマーズの白上フブキさんと、ホロライブゲーマーズの大神ミオさんのペア。第1部ではフブキさん、第2部ではミオさんがソロライブを披露した。

Cinderella switchには、VRゴーグル(Oculus Quest、同2、PlayStation VR)、ニコニコ生放送、スマートフォン用VARKアプリの3種類の視聴がある。もちろん、このライブ形式の魅力を最大限に楽しめるのはVRゴーグルだ。今回も、VRゴーグルによる視聴体験をレポートしたい。

練習量を感じるカッコいいパフォーマンス!

まずは、フブキさんのソロライブをミオさんの隣で楽しむ第1部が開幕。ライブ空間が暗くなったあと、再び明るくなると、ステージ正面、最前列に立つ自分の隣にミオさんが登場し、「フブキのライブ、一緒に隣で応援させてもらう大神ミオです。よろしくお願いします」と丁寧なあいさつ。

思わず、こちらもお辞儀しながら返事をしてしまいそうになる。筆者はVARKのVRライブ常連だが、ミオさんは今回が初参加。「すごいよ! ど真ん中センターの一番前の席だよ!」と興奮気味に語りかけてくる。確かに、フブキさんほどの人気者のリアルライブで、こんな良席のチケットを手に入れようと思ったら、どれだけの幸運が必要だろう。

恒例のカウントダウンの後、フブキさんが登場すると、視聴者が飛ばせる有料ギフトの星が、まるで弾幕攻撃のようにステージ上のフブキさんに降り注ぐ。ステージ上ではしゃぐフブキさんと、楽しげな相方を笑顔で見つめるミオさんは、さっそく息の合った掛け合いを披露。「フブミオ」と自分が同じ空間に存在している不思議を最初のMCから感じられた。ミオさんと同じくVARKのライブに初参加のフブキさんは、さっそくVARK名物のガチ恋距離エリアに移動。手の届く場所に現れて、「お触り禁止だぞ〜」と言ったかと思えば、「頭をなでるくらいは許そう」と頭を差し出してくれる大サービス。

ライブの1曲目は、UNISON SQUARE GARDEN「桜のあと」。アニメ「夜桜四重奏~ハナノウタ~」のオープニングにもなっているアップテンポな楽曲で、エアギターをしたり、歌詞に合わせてキックをしたりと、アグレッシブでカッコいいフブキさんのパフォーマンスを楽しめた。

ガチ恋距離でのMCを挟んだ2曲目は、「オタクなら知ってる曲」と紹介したfhana「青空のラプソディ」。テレビアニメ「小林さんちのメイドラゴン」のオープニングとしても人気のかわいく楽しい楽曲で、フブキさんの予想どおり、大多数のファンが「chu chu yeah!」「without you」と合いの手を入れたはずだ。間奏ではステージの前に迫ってきて、「みんな、ちゃんと声、出してますかー?」と客席を煽り、ミオさんもそれに応える。

「『青空のラプソディ』、こういったライブで、ずっと歌いたくって。やっと、夢がかなったんじゃい♪」と歌い終えての感想を話すフブキさん。変化のバリエーションが多いサビもノーミスで歌いこなし、この曲に対する思い入れと練習量が伝わってきた。一方、隣の席で合いの手を間違えて照れ笑いするミオさんもかわいい。

ガチ恋距離エリアでのウインクにやられる

「熱くて、カッコいい曲」という紹介から披露した3曲目は、オーイシマサヨシTom-H@ckのユニット「OxT」「UNION」。大ヒットアニメ「SSSS.GRIDMAN」のオープニング曲で、疾走感あふれるサビが印象的なヒーローソングだ。筆者は、女性ボーカルの「UNION」を聴くのは今回が初めて。フブキさんの歌声はかわいい印象が強かっただけに「UNION」は意外な選曲に感じたが、聴いてみると鋭さも強さもあるボーカルがフブキさんのライブにマッチしており、また曲に対しても新鮮な魅力を感じた。

Cパート前の間奏で「さあ、このあとは音程を外さないか、めちゃめちゃ不安なパートです。みんな、サイリウムで応援してくれ~」と後押しを求められたファンは、星や花火などのギフトで応援。フブキさんは、不安さを微塵も感じさせない伸びやかでピッチも完璧な歌声を披露。さらに、ラスサビでは突然、ガチ恋距離エリアに登場し「同盟を結ぼうか」という歌詞に合わせて右手の小指を差し出し、指切りポーズ。ラストはかわいくウィンクをしてステージへと戻った。

また、間奏ではミオさんが顔をグッと近づけて、「フブキのカッコいい系だよ~。あまり観たことないね」とささやいてくる。「デートかな?」と思わせてくれるこの距離感の会話も「ふたりでみるホロライブ」だからこその体験だ。

4曲目は、今敏監督の劇場アニメ「パプリカ」の劇中曲「パレード」という、フブキさんらしさ全開のマニアックな選曲。曲終わりに隣のミオさんが戸惑い混じりにつぶやいた「こういう感じかあ」という言葉が印象に残った。筆者もどちらかと言えば、ミオさんと同じ感覚でステージを観ていたが、フブキさん並にマニアックな一部のファンには、フブキさんがエア演奏しているレーザーハープが見えていたらしい。

最後の曲に選んだのは、「ライブで1回は歌っておきたかった」「白上の名前とシナジーがある曲」と紹介した西沢幸奏の「吹雪」。テレビアニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」のエンディングテーマだが、オープニングテーマにもなりそうなくらい前向きで疾走感のある曲だ。

この曲を含め、ライブ全編を通してフブキさんの歌声の伸びやかさは非常に好印象。配信やライブではあまり歌う機会がなかったけれど、大好きな曲や思い入れの深い曲ばかりというセットリストがフブキさんの歌声の魅力をさらに引き出したのかもしれない。

最後の最後にもう一度、ガチ恋距離に来てくれたフブキさんは、目の前で手を振りながら「おつこーん」といつものあいさつ。第1部はこうして終了し、フブキさんは退場。ミオさんも「次、ウチの番だから頑張ってくるね。応援、よろしくだよー。緊張するけど頑張って行ってきます!」「今日は、お隣になってくれて、本当にどうもありがとうね。次はここにフブキが来るから、それも楽しみにしてね。じゃあ、またね! ばいばーい」とにこやかな笑顔とともに席を立った。

ミオさんが「なのは曲」でライブ空間を熱くする!

ミオさんがステージに立つ第2部は、ネット回線の不調により30分遅れで開幕。隣に来たフブキさんは、「あ、ミオちゃん好きなんですか? 私もミオちゃん、すごい好きで、グッズとか買ってるんですよ~」と話しかけてくれるなど、「推しのライブを観に来たファン」としての振る舞いが堂に入っている。

カウントダウンが終わると、イケメン(?)ユニット「FAMS」のメンバー「黒神臣」(くろかみおみ)モードのミオさんがかっこよく登場。隣のフブキさんは急に「オミく~ん♪」と黄色い声援を上げだし、さっきまでの友好的な態度から一変、同担拒否の厄介ファンになってしまった。しかし、「みなさ~ん、こんば~ん、みお~ん。大神ミオで~す」といつものミオさんに戻ると、フブキさんも「あれ? 夢を見てたのかな?」といつもの愛らしいフブキさんに戻ってくれた。

ミオさんが1曲目に選んだのは、ホロライブの全体曲「夢見る空へ」。イントロで「今日は、ウチのライブを観に来てくれて、ありがとうね。よかったら、一緒に歌ってほしいな」と呼びかけて、ミオさんらしい温かな歌声を響かせる。さらに隣のフブキさんからは、完璧なコールだけでなく、時折、歌声も聞こえてくる。ミオさんのソロライブなのに、フブキさんとのデュエットも少しだけ楽しめるという贅沢なシチュエーションだ。

「かわいく歌えてたかな?」と少し不安げに問いかけるミオさんに、「よかった! かわいかった! 世界で一番、おひめさま~!」と叫んで答えるフブキさん。会場で唯一、ステージに肉声を届けられるファン代表としての役割を完璧なかたちでまっとうしていた。

2曲目を歌う前には、ガチ恋距離エリアに来てくれたミオさん。VR視聴の場合、演者との距離が近すぎると演者が消えてしまう仕様になっているのだが、そのギリギリのポジションに登場してくれるミオさんのサービス精神がうれしい。

2曲目は、「魔法少女リリカルなのはA’s」のオープニングテーマとしても有名な水樹奈々「ETERNAL BLAZE」。1曲目とはガラリと変わった力強い歌声が印象的なステージだった。歌う前にはファンに対して「間奏で『ETERNAL BLAZE』と言うところがあるんだけど、そこはみんなも一緒に言ってほしいな」とリクエスト。VR視聴では直接、声を伝えることはできなかったが、きっとニコニコ生放送ではコメントで配信画面が埋まっていたことだろう。いつかリアルライブでもミオさんの「ETERNAL BLAZE」を聴いて、一緒に叫びたい。

「白金ディスコ」で「かわいいみお~ん」も披露!

「2曲目はカッコいい曲だったんだけど、せっかくのソロステージなので、かわいいみお~んも観てもらいたいなと思って……」という控えめな曲紹介からの3曲目は、テレビアニメ「偽物語」のオープニングテーマ「白金ディスコ」。お兄ちゃんが大好きだけど、言動はドSな妹キャラ・阿良々木月火(CV:井口裕香)のキャラクターソングで、母性にあふれ「ホロライブのママ」と呼ばれるミオさんのイメージから遠い選曲だ。とはいえ、もともとの声自体がかわいいので、かわいい歌を歌えば当然のようにかわいいく、自分で考えたという振り付けも、曲や歌詞とマッチしていた。

ガチ恋距離エリアに移動してのフブキさんとのトークでは、「白金ディスコ」はフブキさんの歌枠で初めて聴いた曲という裏話を披露。フブキさんはうれしそうに「もっと、かわいい曲をオススメしようかな」と話し、ミオさんも乗り気だったので、かわいい曲レパートリーは今後も増えていき、「かわいいみお~ん」の登場機会も多くなるかもしれない。

4曲目は米津玄師菅田将暉のコラボ曲、「灰色と青」。ここまでのセトリとは雰囲気がガラリと変わって、しっとりと力強く歌い上げる曲で、ジャンルを問わずどんな曲も歌いこなせる歌唱力の高さを証明。3曲目までは、にぎやかだったフブキさんもこの曲は静かに聴き入っていた。

ラストの5曲目は、ミオさんも参加している「hololive IDOL PROJECT」「あすいろClearSky」。タイトルのとおり爽やかでポジティブな印象の曲で、エンディングテーマ感もあり、ライブを締めくくるのにピッタリの選曲だ。「hololive IDOL PROJECT」の1stアルバム「Bouquet」に収録されているオリジナル版はミオさんを含む9人のホロメンで歌っているが、ソロバージョンは初披露。力強さと透明感を併せ持つミオさんの歌声との相性も素晴らしい。

ラスサビ前の間奏では、ガチ恋距離に移動して、感謝のメッセージ。
「今日は、ウチのライブ、最後まで聴いてくれて、ありがとね。フブキもありがとう」
「ありがとー!」
「これからも、もっともっと輝けるように、ウチ、頑張るから! 頑張るところ見ててね。いつもありがとう!」

最後はライブを見守ったファンへの感謝の気持ちを2人で語り、ミオさんは退場。一人残ったフブキさんはあらためて「みんなと一緒に楽しめて楽しかった」と語り、アフタートークでの再会を約束して第2部が終了した。

「ふたりでみるホロライブ」第6弾では5期生が初登場!

第1部と第2部の通しチケットを購入した人は無料で参加できるアフタートーク。会場が明るくなると、フブキさんとミオさんが2人揃って目の前にいるというサプライズな幕開けだった。

2人はいったんステージへ戻り、デジタルフラワースタンドなどを送った熱いファンへの感謝を述べたあと、お互いのセットリストを振り返りながら解説していく。フブキさんの4曲目「パレード」では、自分やミオさんだけでなく、周囲にいる観客アバターの持っているサイリウムも全部消えていて、面白い演出だと感心していたのだが、これはパレードを作詞、作曲した平沢進のライブではサイリウムが使用禁止のため、それに合わせる意味での演出とのこと。フブキさんらしいマニアックなこだわりだ。

「今回はいろんな曲を歌って、みんなを感情ジェットコースターに乗せようかなって」とセットリストの狙いを語ったミオさん。4曲目の「灰色と青」は、大好きな曲で配信の歌枠では何度も歌ってきた曲だが、ライブでは初披露。配信ではいつも、泣いたり、泣きそうになったりするが、ライブならではの緊張感のおかげで、泣かずに歌い切れたそうだ。

セトリに関するトークの後は、「Cinderella switch ~ふたりでみるホロライブ~」の第6弾となる次回公演の詳細が明かされた。雪花ラミィさんと獅白ぼたんさんの「ししらみ」コンビが5月29日(土)に、5期生では初となるVARKライブを開催する。この公演もこれまでのシリーズと同じく、ほかのライブや配信では体験できない、特別なライブになることだろう。

次回告知の後は、もう一度、ガチ恋距離エリアへ移動し、名残惜しい思いを語る2人。「また呼ばれたいよね」というフブキさんに、「また、やりたいよね~」と大きな声で同意するミオさん。その思いは、きっと、このライブを見守ったファン全員の総意でもあるはずだ。

(TEXT by Daisuke Marumoto

●関連リンク
イベントページ
白上フブキ(Twitter)
大神ミオ(Twitter)
VARK
ホロライブ