VARK「みんなでかがやけくれっしぇんど!」徹底レポート クレア・緑仙・ドーラ、3人の仲良さにトキメキ

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VARKは11月7日、同名のバーチャルライブプラットフォーム「VARK」にてVRライブ「みんなでかがやけくれっしぇんど!~うたえ!さわげ!おどれ!~cresc. 1st LIVE in VARK」を開催した。

出演者は、VTuber/バーチャルライバー事務所「にじさんじ」に所属するシスター・クレアさん、緑仙さん、ドーラさん。「にじさんじSEEDs」(当時)の一期生として一緒にデビューした同期で、活動初期からずっと仲良しな3人のユニット「cresc.」(くれっしぇんど)の初ライブということもあり、大きな注目を集めた。

歌が大好きという共通点はあるが、教会のシスター、高校生、ファイアードレイクとまったく個性の異なる3人によるライブは、セットリストもバラエティ豊富。アンコールを含めた全12曲のライブをレポートしていく。

なお、このライブは、VRヘッドセット(Oculus Quest、Oculus Quest 2、PlayStation VRのみ対応)のVARKアプリ、スマートフォンのVARKアプリ、ニコニコ生放送という3種類のプラットフォームで視聴可能だったが、筆者はVRヘッドセットで視聴している。また、ニコニコ生放送では、2020年11月21日(土)23時59分までタイムシフト視聴可能だが、ネットチケットの購入期限は、前日の2020年11月20日(金)23時59分までなので注意しよう。


ソロ曲パートからライブが開幕!

VARKライブ恒例のカウントダウンの後、最初にステージに現れたのはドーラさん。ステージの中央でスポットライトに照らされながら、Superflyの「覚醒」を静かに歌い始める。徐々にテンションが高まっていった後のサビでは、呪文の詠唱のような謎の歌詞を原曲のイメージ通りリズミカルに歌い、サビ終わりのロングトーンも力強く伸びていく。1曲目から、ドーラさんの安定したボーカルを見せつけるようなステージだった。

続くクレアさんは、おなじみの修道服に猫耳、猫の手、猫の尻尾付きという猫装備3点セットの反則的に可愛い姿で登場し、披露した曲はHoneyWorksの「可愛くなりたい」。歌っている曲のタイトルに気づき、「もう可愛いよ!」と心の中で突っ込んだ人は多かったはず。

曲が始まった後も、癒し系ボイスの歌声、ダンスや細かな仕草など、目と耳に入る要素のすべてが可愛い。また、過去のライブで聴いたときには綺麗さや繊細さを強く感じた歌声は、その魅力をキープしたまま力強さも増した印象。ダンスしながらも、安定した歌声を響かせていた。

しかも、大サビに入る直前、周囲が一瞬ピンク色に染まった後、視界が元に戻ると、目の前にクレアさんの後ろ姿が。少し焦らすようにゆっくりこちらを向くと、顔を見て、ガチ恋距離で歌声を聴かせてくれた。

クレアさんの歌が終わり暗転したVR空間が明るくなるとすぐ目の前に緑仙さんが立っていた。シンガーソングライター美波のデビュー曲「カワキヲアメク」の冒頭のワンフレーズを歌った後はステージに瞬間移動。そして、サビが始まると、今度はVR空間からステージが消え、足下がすべて水面になる。そこに立つ緑仙さんは、ドロドロな恋愛アニメ「ドメスティックな彼女」の主題歌でもあった曲を情念たっぷりに歌っていく。

水面には華やかな花が点在し、どんよりした空を色鮮やかな照明が照らす。その不思議で美しい光景と、緑仙さんの歌声や姿は、なぜか非常にマッチしていた。また、ラストではどんよりした曇り空が青空に変わっていく演出も印象的だった。

ソロ曲が全員分続いた後は3人曲。BETTIさんの楽曲制作ユニットEasyPopの人気曲「Girls」を息の合ったダンスとともに披露。フォーメーションも含めて運動量が豊富な上に難易度も高めで、3人がこのライブに向けて費やした時間の量を実感させるパフォーマンスだった。


突然のトラブルも3人の楽しいトークタイムに

最初のMCでは、「みなさん、こんばんはー」「クレアです」「緑仙です」「ドーラです」「3人合わせて、くれっしぇんどでーす」とお笑いユニットのような挨拶をした後、3人でわちゃわちゃと大はしゃぎ。各プラットフォームで観ているファンたちのそれぞれに声をかけながら、手を振っていく。

その後は各曲の振り返りと裏話が始まった。ドーラさんの「覚醒」を選曲したのは、実は緑仙さん。ドーラさんが「覚醒」について語りはじめるとステージの奥へと移動し、「後方腕組みプロデューサー」として、「ま、良かったんじゃないかな」と、上から目線で褒める小芝居を見せた。

2曲目、クレアさんの「可愛くなりたい」については、ドーラさんが「これ以上、可愛くなられてしまっては、我々も困ってしまう」と、ファン代表のような感想を述べていた。そんな中、映像トラブルが発生。目の前が真っ暗になるが、息ぴったりの3人はラジオ状態でフリートークを繰り広げ、復旧までの数分間も楽しませてくれた。

3曲目の「カワキヲアメク」に関して、ドーラさんから質問されてもスルーして、ステージ最前でファンサを続ける緑仙さん。しかし、自身が所属している6人組ユニット「Rain Drops」の2ndミニアルバムの宣伝タイムではしっかりとアピールし、ドーラさんからツッコミを受けていた。


デュエットパートの選曲もバラエティ豊富

MCの後はデュエットパート。まずは、緑仙さんとドーラさんが「戦姫絶唱シンフォギアGX」の挿入歌「星天ギャラクシィクロス」を熱唱。声優界でも歌唱力に定評のある日笠陽子さんと水樹奈々さんのデュエット曲で、歌い始める前には緑仙さんが「生で歌う曲じゃない」と弱音も吐くほど高難度の曲だが、サビでの綺麗なハーモニーをはじめ、最後までパワフルに歌いきった。

ステージ中央で背中合わせに立ちながら登場したクレアさんと緑仙さんは、「美少女戦士セーラームーンCrystal」のエンディング曲「Eternal Eternity」をデュエット。セーラーウラヌスのパートを緑仙さん、セーラーネプチューンのパートをクレアさんが歌うのも解釈一致だ。アウトロでは、迫る緑仙さんと、恥ずかしそうに逃げるクレアさんという謎の構図になってステージが暗転した。

ドーラさんとクレアさんは、コミカルな歌詞や合いの手で大ヒットした「ダンベル何キロ持てる?」のオープニング曲「お願いマッスル」を披露。歌詞に合わせて、ボディービルダーの筋肉アピールのポーズをマネする二人が可愛い。ユニットとしては初めてのライブで、こういった楽しいネタ系の曲を選ぶのも、仲良しな「くれっしぇんど」ならではだと感じた。

MCでデュエットパートについて振り返る3人。緑仙さんとドーラさんは、「星天ギャラクシィクロス」のパフォーマンスについて納得がいかない様子。「もっと上手に歌える」「リハーサルの方が良かった」と悔しがる二人に、クレアさんが「私はよかったと思う。ハモリのところとか」と伝えると、二人は嬉しそうなリアクション。それでも、やはり、リベンジを誓っていた。

「Eternal Eternity」の最後、クレアさんに迫っていたことをドーラさんから追求された緑仙さんは、実は最初に目を合わせてきたのはクレアさんという真相を説明。クレアさんは、自分から目を合わせておきながら、緑仙さんが見つめ返すと「恥ずかしくなっちゃって」、目を合わせてくる緑仙さんから逃げ回っていたらしい。

「お願いマッスル」では、途中、少し曲が飛んでしまう場面もあった。クレアさんは「ドーラちゃん、間違ってる……あ、(間違ってるのは)私だった(笑)」となってしまったそうだが、そんな失敗談を楽しく話せていることからも、ガチな仲良し感が伝わってくる。また、ドーラさんも口にしていたが、こういったアクシデントがあるのも、生歌、生ダンスのライブだからこそであり、その魅力の一つといえるだろう。


緑仙さんはオリジナル曲「イツライ」も熱唱

最後のブロックは2度目のソロコーナーからスタート。一番手のクレアさんは、藤田麻衣子さんの「素敵なことがあなたを待っている」をカバー。誰にでも優しいクレアさんにぴったりの応援ソングだ。大サビでは、ステージ最前列まで近付いてきたクレアさんが膝を付き、目線を合わせながら歌いかけてくれた。

会場が暗転した後、明かりが付くと、いきなりガチ恋距離にドーラさんが! 超至近距離で歌い始めたのは、「THE IDOLM@STER」の我那覇響のソロ曲「Rebellion」。クールかつ勢いのある楽曲は、ドーラさんのパワフルなボーカルとも好相性。ステージへと移動した後は、振りもさらに激しくなっていった。

ラストスパートとばかりにライブを大いに盛り上げたドーラさんのステージだったが、曲が終わって暗転した後、画面は真っ暗なままの状態に。またトラブルが起きたことを察し、そのまま待機にしていると、3人のマイクが入り、声が聴こえはじめる。クレアさんとドーラさんのソロ曲に関するエピソードなどを聴いているうちに自然と時間が経過。トラブルも解決し目の前が明るくなると、ステージ中央にスッと立つ緑仙さんの姿が見えた。

緑仙さんの最後のソロ曲は、オリジナル曲の「イツライ」。イントロ中には「生で歌うの久しぶりなので、多めに見てくれると嬉しいなと思います」と話したが、そんな言い訳など必要ないほどに、緑仙さんらしい伸びのある歌声を響かせていく。アウトロでは、客席に向けて手を振りながら、「久々に歌った~。どうでした?」と尋ねてきたが、その口調からは、緑仙さん自身、手応えを感じていることがうかがえた。


アンコールでは3人が雲の上に座って登場

緑仙さんのソロが終わった後は、またまた3人全員がステージに登場。ドーラさんが「皆さん、今日は本当にありがとうございました。これが最後の曲です」と語った後、3人で披露したのは、アニメ「とらドラ!」のエンディング曲でもある「オレンジ」。

オレンジ、赤色、青色など、さまざまな色の光で照らされるステージで、きれいなユニゾンも響かせながらトリオ曲の名曲を歌っていく。少し切なさも感じさせる歌詞なのだが、3人の歌声からはポジティブな空気を放ちまくる。ラストは3人一緒にステージを降りてガチ恋距離に登場。目の前での「好きだよ」というフレーズを繰り返してくれるという大サービスだった。

こうしてライブの本編は終了。しかし、ステージ奥のスクリーンには、「本公演は終了しました…?」の文字が。アンコールがあるのかなと思っていると、また3人の声が聞こえだし、自分たちでも「アンコール」を求めるコールをはじめた。

その思いが実ったのか、ステージ上に3人が再登場。なぜか、学校の先生と先生に指名される生徒の小芝居をしながら、ライブの感想を1人ずつ語っていった。

緑仙さんは、ライブでやるのが楽しみだったオリジナル曲「イツライ」が上手に歌えたことを喜び、クレアさんは「二人と一緒にライブできたことが嬉しい」と語る。ドーラさんはデビューから3年以上経って、初めて3人で一緒にライブできたことを喜び、「VARKさん、素敵な機会をありがとうございます」とお礼を告げ、ファンのみんなには、「Twitterに『2ndライブもお願いします』って書いて(笑)」と次のライブ実現への協力を要請。

さらに、3人でファンに向けて「ありがとう」と感謝の言葉を繰り返した。

ドーラさんは、「最後の曲は、この3人を好きでいてくれる人には嬉しいんじゃないかな」と紹介。しかも、緑仙さんが絵コンテまで描いて、VARKさんにお願いした演出により披露されると語り、さらに期待を高めた。そして、3人で声を合わせて紹介した曲は、アニメ「サムライフラメンコ」のエンディング曲「デートTIME」。

いったん暗転した後、再び光が戻ってくると目の前は空。そこには、パステルカラーの三つの雲が並び、それらの上には「くれっしぇんど」の3人が座っていた。そして、3人とも猫耳と大きな猫の手を装備。手を振り、足をパタパタと動かしながら、「サムライフラメンコ」の劇中に登場するアイドルのキュートな曲を歌っていく。これぞVRならでは、という演出だった。

最後の大サビでは3人全員がガチ恋距離に接近。すでに十分近いのに、クレアさんの背中を押して、もっとこちら側に近づけようとする緑仙さんのいたずらは超ファインプレーだ。歌い終えた後も、アウトロが終わるまで3人は笑顔で手を振りづけ、「くれっしぇんど」の1stライブは終了した。

この3人以外にも、さまざまなユニットや仲良しグループが存在する「にじさんじ」。くれっしぇんどの2ndライブはもちろん、その他のユニットのVRライブももっとハイペースで見せて欲しいという贅沢な気持ちになる、楽しくて幸せなライブだった。


●セットリスト
M1.覚醒(Superfly)
M2.可愛くなりたい(HoneyWorks)
M3.カワキヲアメク(美波)
M4.Girls(巡音ルカ/EasyPop)
M5.星天ギャラクシィクロス(マリア、風鳴翼)
M6.Eternal Eternity(セーラーウラヌス、セーラーネプチューン)
M7.お願いマッスル(紗倉ひびき&街雄鳴造)
M8.素敵なことがあなたを待っている(藤田麻衣子)
M9.Rebellion(我那覇響)
M10.イツライ(緑仙・オリジナル曲)
M11.オレンジ(逢坂大河、櫛枝実乃梨、川嶋亜美)

*アンコール
M12.デートTIME(ミネラル★ミラクル★ミューズ)


(TEXT by Daisuke Marumoto

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