AZKiや「ユイしあ」、VALISなどバラエティーに富んだ出演者にも注目 「Life Like a Live!」20日夜公演レポート

LINEで送る
Pocket

9月19日(土)~22日(祝)の4日間にわたって開催した史上最大規模のバーチャルアイドルオンラインライブフェス「Life Like a Live!」、通称「えるすりー」。前回の9月20日昼公演に続いて、夜公演のレポートをお届けしよう。

●えるすりー全レポート
32人同時パフォーマンスのOPに一撃で魅了された! 「Life Like a Live!」20日昼公演レポート
AZKiや「ユイしあ」、VALISなどバラエティーに富んだ出演者にも注目 「Life Like a Live!」20日夜公演レポート
Palette Project全員集合に全ファンが感涙「Life Like a Live!」21日昼公演レポート
ラジオ発、事務所をまたいだ夢のユニットも登場! 「Life Like a Live!」21日夜公演レポート
最後はやっぱり32人集合で完全燃焼! 「Life Like a Live!」22日夜公演レポート


えのぐの熱いステージにいきなりトップギア

19時開演の夜公演では、特設ステージの周囲も完全に夜の風景に変わっていた。リアルライブなら当然のことだが、バーチャル空間でも時間の変化を再現していることに少し驚くと同時に、あえて屋外ステージとして作られた意味を理解した。昼間とは異なる雰囲気の中でライブが始まる。


トップバッターは「えのぐ」の4人。まずは昼公演の最後にもMCで話題に上がっていた、鈴木あんずさんの美しいソロから始まる「スタートライン」を披露する。エンディング感のあるしっとりとした曲での開幕には意表をつかれたが、鈴木さんだけでなく、4人全員の歌声にしっかりと引き込まれていった。

ところが、白藤環(しらふじたまき)さんと日向奈央(ひなたなお)さんの二人ユニットが歌った2曲目の「無敵のヒーロー」は、一転してハイテンポで熱い曲。

さらに、全員揃っての「常夏パーティータイム」もタイトル通りに熱くハイテンション。オンラインライブであることも気にせず、「タオルを回してー!」とアピールし、「えのぐの夏曲」で会場の空気を一気に熱くした。

2組目に登場したのは、「AVATAR2.0」プロジェクト所属の結目ユイさん&水瀬しあさん。SHOWROOMで開催した「えるすりー」出場権獲得イベントに一緒に参加し、1位となって初めてのアイドルフェス出演を決めた。

2人とも普段はアイドル的活動は行ってはいないはずだが、1曲目に歌ったボカロ曲「スイートマジック」は、歌もダンスもアイドルらしい愛らしさが伝わってきた。カメラへのアピールでも、ステージを楽しんでいることがわかる。

漫才のような導入から始まったMCでも大はしゃぎした後、ボカロ曲「ゴーストルール」も披露。結目さんの高音と水瀬さんの低音による絶妙のハーモニーは、筆者の中の2人の印象を大きく変えた。


ステージ上で温泉をアピールするあのアイドルも!

3組目は、「GEMS COMPANY」から、音羽雫さん、城乃柚希(しろのゆずき)さん、長谷みことさんのユニット「citross」。ユニット曲のバラード「メッセージ」での伸びやかで綺麗な歌声には、心が浄化されたような気持ちになった。ところが、MCでは雰囲気は一変し、にぎやかなトークを展開していく。

MCを終えると他のメンバーも合流して、最新曲「ときめきドリームライン」を9人で披露した。個々のソロパートも全員でのハーモニーも印象強く、フォーメーションダンスも映えるこの曲は、この先もきっと「えるすりー」のような大舞台で何度も歌われるのだろう。


4組目は、日本全国の温泉地をモチーフにしたキャラクターがアイドル活動を通して温泉地を盛り上げるプロジェクト「温泉むすめ」から、秋保那菜子さ(あきうななこ)ん、草津結衣奈(くさつゆいな)さん、箱根彩耶(はこねさや)さんが登場。

1曲目は、草津さんが持ち歌のポップな王道アイドルソング「キズナ結び・エン結び」を熱唱し、他の2人はダンスとコールでステージを盛り上げた。

MCでは、自己紹介とともに「温泉むすめ」の活動内容も紹介。観光庁後援のプロジェクトであることを嬉しそうに語り、「温泉に行こう」とアピールしているのもアイドルライブのMCとしては斬新だった。

2曲目は、箱根さんのソロ曲「Road to Shine」で、駅伝をテーマにした疾走感ある曲というのも面白いコンセプトになる。楽曲もパフォーマンスもクオリティは高く、この日は歌う機会の無かった秋保さんら他の「温泉むすめ」の曲にも強く興味が沸いた。


5組目のアイドルは、「Palette Project」で、シティポップをコンセプトにしたユニット「Sputrip」。メンバーは暁月クララさん、常磐カナメさん、香鳴ハノンさんの3人だ。

9月5日に結成したばかりの最新ユニットで、香鳴さんにいたっては、8月18日にPalette Projectに加入したばかりの超新人となる。ところが、レトロフューチャーなデザインのワンピース衣装で登場すると、オリジナル曲「光の惑星」で、結成間もないユニットとは思えない落ち着いたパフォーマンスを見せる。

初々しいさも見られたMCの後は、1988年~1992年に放送したアニメ「美味しんぼ」の主題歌「DangDang気になる」をカバー。まさかの選曲に驚いたが、原曲を歌っているのは当時のアイドル中村由真なので、たしかにアイドルソングなのだ。

3曲目には、初オリジナル曲「Breeze in the sun」を披露。曲もダンスもまさにおしゃれ可愛いシティポップで、きっと長く歌われるユニットの代表曲になると確信した。


初ライブのVALISが独特の世界観を展開

6組目の「ReVdol!」(リブドル!)は、昼公演と同じ屋内ステージからのパフォーマンスとなった。まずは、数々のヒット曲を生み出して来たElements Gardenの提供曲「World of the happiness!」の日本語verで、6人の動きのタイミングがピタリと合ったフォーメーションダンスと、安定した歌声を披露。

筆者は昼公演で初めてライブを観て驚き、今後、どんなレパートリーでどれほど完成度の高いステージを見せてくれるのか、さらに知りたくなったグループだった。

2曲目の「HEROINE」での1番が日本語ver、2番は中国語verというパフォーマンスも、メンバー全員が中国語も日本語も巧みに操るというリブドル!だからこそできる演出だろう。


7組目は、今年の5月から活動を開始したバーチャルサーカス団「VALIS」(ヴァリス)。このステージでは、6人のメンバーからCHINO(チノ)さん、NEFFY(ネフィ)さん、NINA(ニナ)さんの3人が登場した。

筆者は、VALISのライブを観るのも初めてだったのだが、それもそのはず、VALISの3Dモデルはこのステージが初披露。MVなどのイラストの退廃的なビジュアルイメージをそのまま表現した身体で、オリジナル曲第2弾の「真夜中コンツェルト」と、第1弾の「残響ヴァンデラー」を続けて披露して、歌、ダンスともに、初ライブとは思えないクオリティーを見せつけた。

わずか2曲で観客を独特の世界観に引き込み、MCを一切入れずにそのままステージを去ったのも謎めいたイメージに拍車をかけた。


8組目は、人気VTuber事務所ホロライブプロダクション内の音楽レーベル・イノナカミュージック所属のVsinger、AZKiさんが登場。「みなさん、こんあずきー」と手を振りながらいつもの挨拶で可愛く登場すると、「今日はAZKiの楽曲の中でも、皆さんの心に届けたい、響かせたい曲を歌わせていただきたいと思います」と語って、ファンへの思いが込められた「いのち」と「青い夢」を歌った。

魂から絞り出すような独特の歌声は、オンラインであっても予告通りに届き、心に刺さってくる。情念的な歌声を正面からぶつけられた後の「ありがとう。AZKiでした」という可愛い声の挨拶と右手でバイバイする仕草のギャップも破壊力抜群だった。


カオスなシャッフルユニットが魅せたオリジナル電波曲

9組目の「まりなす(仮)」のステージでは、まずは、奏天(かなめ)まひろさんと燈舞(とうま)りんさんが登場。昼公演で披露したばかりの新衣装の進化後バージョンを着た2人は、掛け合いも楽しいユニット曲「ポラリティ」を披露。

MCでも2人らしくわちゃわちゃと大騒ぎした後は、2人に代わって音葉(おとのは)なほさんと鈴鳴(すずな)すばるさんがステージに登場し、2人のユニット曲「SPARK×SPARK」を歌った。サビ終わりの2人揃ってのハイキックは、何度観ても美しくカッコいい。


夜公演を締めくくるのも、昼に続いてのシャッフルユニットだった。メンバーは「Palette Project」の暁月クララさん、「まりなす(仮)」の音葉なほさん、「えのぐ」の夏目ハルさん、「GEMS COMPANY」の長谷さんの4人で、その名も「一期感電♡けーき」(いちごしょーとけーき)。

まずはユニット名にぴったり合う(?)オリジナルの電波ソング「カオスDEフルコース」を激しく歌い踊る。MCでも自由奔放に盛り上がる4人だったが、メインステージ初日のフィナーレを飾るテーマソング「Life Like a Live!」では、正統派アイドル的なパフォーマンスで綺麗に締めくくった……と思わせておいて、最後の挨拶でもカメラに向けて大はしゃぎ。最後まで、カオスなユニットだった。


●9月20日(日)夜公演セットリスト
M1.スタートライン/えのぐ
M2.無敵のヒーロー/白藤環・日向奈央(えのぐ)
M3.常夏パーティータイム/えのぐ
M4.スイートマジック(鏡音リンカバー)/結目ユイ・水瀬しあ(AVATAR 2.0 Project)
M5.ゴーストルール(初音ミクカバー)/結目ユイ・水瀬しあ(AVATAR 2.0 Project)
M6.メッセージ/citross(GEMS COMPANY)
M7.ときめきドリームライン/GEMS COMPANY
M8.キズナ結び・エン結び/草津結衣菜(温泉むすめ)
M9.Road to Shine/箱根彩耶(温泉むすめ)
M10.光の惑星/Sputrip(Palette Project)
M11.Dang Dang 気になる(中村真由カバー)/Sputrip(Palette Project)
M12.Breeze in the Sun/Sputrip(Palette Project)
M13.World of the happiness!/リブドル!
M14.HEROINE/リブドル!
M15.真夜中コンツェルト/VALIS
M16.残響ヴァンデラー/VALIS
M17.いのち/AZKi
M18.青い夢/AZKi
M19.ポラリティ/奏天まひろ・燈舞りん(まりなす(仮))
M20.SPARK×SPARK/鈴鳴すばる・音葉なほ(まりなす(仮))
M21.カオスDEフルコース/一期感電♡けーき
M22.Live Like a Live!/一期感電♡けーき

 
(TEXT by Daisuke Marumoto

*21日目昼公演のレポートはこちら



●関連リンク
Life Like a Live!(Twitter)
Life Like a Live!(公式サイト)
チケット販売ページ(niconico)