InnoJin・住友商事・イマクリエイト、小児向けVR弱視治療用アプリを共同開発

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イマクリエイト株式会社

医療・ヘルスケアに関するITを活用した事業や研究・開発を行うInnoJin株式会社(以下「InnoJin」)、住友商事株式会社(以下「住友商事」)、現実に作用する身体性のあるバーチャル技術の研究・開発を行うイマクリエイト株式会社(以下イマクリエイト)は、Virtual Reality (VR)を活用した小児の弱視患者向け治療用アプリの共同開発を進めることに合意し、臨床研究用プロダクトが完成したことをお知らせします。今後、臨床研究、治験、薬機法に基づく承認取得を進め、2025年度中の承認申請を目指します。

治療用アプリとは、デジタル技術を活用して特定の疾患の治療を行うソフトウェアです。既存の医薬品による完治が難しく、生活習慣の改善や認知や行動の変容、器官を直接的に刺激することが必要な疾病への治療効果があると期待されています。治療用アプリは、医療機器として医師が処方するものであり、薬機法に則った承認取得後、保険適用も見込まれます。

弱視とは視力の発達が障害されて起きた低視力を指し、眼鏡をかけても視力が充分でない場合を指します。子どもの約3パーセントが罹患する病気で、年間およそ3万人のペースで患者が増加しています。弱視に対する治療方法は眼鏡装用およびアイパッチを用いた健眼遮蔽が現在主流であり、健眼遮蔽は視力の良い方の眼を毎日一定時間アイパッチで覆い、弱視の眼を強制的に使用させることで視力発達を促すというものです。一方で、この健眼遮蔽は子どもが嫌がることも多く、患者家族の協力が求められ、患者や家族への負担が大きく、健眼遮蔽のアドヒアランス低下による治療効果の低減が課題となっています。そのため、患者家族に負担が少ない弱視治療方法が望まれています。

3社で開発したVR弱視治療用アプリは、VR上で左右の眼に異なる映像を表示することで、アイパッチ治療と同等の治療効果の実現を目指します。VR弱視治療用アプリではゲームや動画視聴など、子どもが自然と夢中になれる内容で治療が行えるため、効果的かつ患者家族への負担が少ない治療の実現が可能です。また、VR弱視治療用アプリでは眼と手の協応運動による立体視訓練も同時に行うことができます。さらにVR弱視治療用アプリではアプリの使用時間を記録することができるため、より効果的な治療計画の立案を可能とします。

InnoJinは、眼科領域およびデジタルヘルス領域において、スマホアプリ型医療機器等を開発する研究開発型企業です。InnoJinは、「人にやさしい」デジタル医療の実現を目指し、医療のデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいます。

住友商事は、住商ファーマインターナショナル株式会社を通じて医薬品の研究、開発や製造を支えるさまざまなサービスを提供するほか、米国において製薬事業に参画しています。今後は、デジタルマーケティングやヘルスケア分野など多方面での付加価値提供および事業化を検討し、治療用アプリの普及と利用促進に貢献していきます。

 イマクリエイトは「血を通わす。データに、人に、世の中に。」をミッションに、時間や場所などの様々な現実の壁をこえて、全ての人がもっと自由に、便利に活動できる世の中の実現を目指し、現実に作用する身体性のあるバーチャル技術の研究・開発を進めています。

3社は治験および薬機法に基づく医療機器承認取得を進め、2025年度中の承認申請を目指すとともに、アプリ機能および治療対象の拡充を行っていきます。治療用アプリの開発・普及を通じ、医療へのアクセス向上に寄与、人々の心と体の健康を支え、地域社会の発展に貢献していきます。
<参考資料>
■けん玉を用いたVR治療用アプリのイメージ

■InnoJinについて
社名:InnoJin株式会社
設立:2020年12月
代表者:猪俣 武範
所在地:東京都文京区本郷3-38-10
事業内容:医療及びヘルスケアに関する、ITを活用した事業、情報収集、分析及び情報提供、ウェブコンテンツおよびデジタルコンテンツの企画、制作、販売および配信、コンサルティング業務、研究
本開発における役割:学的見地からの製品監修、医学的エビデンス取得、医療機器としての承認申請

■住友商事について
社名:住友商事株式会社
設立:1919年12月24日
代表者:代表取締役 社長執行役員 CEO 兵頭 誠之
所在地:本社 東京都千代田区大手町二丁目3番2号 大手町プレイス イーストタワー
事業内容:多様な商品・サービスの販売、輸出入および三国間取引、さらには国内外における事業投資など、総合力を生かした多角的な事業活動を展開
本開発における役割:開発・申請にわたる全般のプロジェクトマネジメント

■イマクリエイトについて
社名:イマクリエイト株式会社
設立:2019年1月
代表者:山本 彰洋
所在地: 東京都品川区東五反田5丁目22-7 KAY&KAY West 101号室
事業内容:VR/AR/MRシステムの企画・開発・運用、VR/AR/MRのコンサルティング、
セミナー、イベント運営
本開発における役割:治療コンテンツの開発

■治療用アプリについて
・治療用アプリとは、「デジタル治療」や「デジタルセラピューティクス」とも呼ばれ、デジタル技術を用いた疾病の予防、診断・治療等の医療行為を支援または実施するソフトウェアの一つ。単独ないしは医薬品・医療機器と併用して用いられる。
・日本では、2014年の薬機法制定時に「医療機器プログラム」として治療用アプリが承認対象となった。既存医薬品では完治が難しい領域を中心に製品開発が進められている。
・一般的なヘルスケアアプリと異なり、臨床試験を通じて臨床上の有用性(エビデンス)を確認し、当局の承認を得て保険収載される。
・医薬品の投薬をベースにした治療行為に対して新たな治療手段を提供する、「医薬品のデジタルトランスフォーメーション」として期待されている。

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