茨ひより、幕張に立つ! 目玉はメロンのつかみ取り!? ニコニコ超会議2022、茨ひよりブースレポ

LINEで送る
Pocket

ドワンゴは、4月29、30日の2日間、インターネットの祭典「ニコニコ超会議2022 Supported by NTT」を幕張メッセにて実施した。3年ぶりとなるリアル開催で、幕張メッセのホール1~11だけでなくイベントホールまで貸切って実施。久方ぶりの大型イベントに、来場者の熱気もかつてないほどに高まっていた。

今年も音楽ライブ「VTuber Fes Japan 2022」や、1対1でタレントとお話しできる「おしゃべりフェス」など、VTuber関連の企画が複数行われていたが、その中から本記事では、日本初の自治体公認VTuber・茨ひより(愛称:ひよりん)さんのブースを紹介していこう。

ブース正面 モニターには茨ひよりさんの投稿動画が流れる

ブースのレポートに入る前に、まず、茨ひよりさんについて、しーーっかりと紹介しよう。

茨ひよりさんとは、2018年より茨城県(いばらけん)公式YouTubeチャンネル「いばキラTV」のアナウンサーとして活躍する、茨城県バーチャル広報課職員のVTuberである。

普段はこのチャンネルにて動画を投稿している。VTuberとしてはオーソドックスなゲーム実況や歌ってみただけでなく、いばキラニュースと題して本業であるアナウンサーとして茨城県の観光・イベントをときには「体験」しながら紹介したり、茨城県の観光地をデートした気持ちになれる「ひよりんと一緒」を披露するなど、世界中に茨城県の魅力を伝えるべく、日々新しいことにチャレンジしている。

その透き通った声や感情豊かなリアクション、また頭に乗ったあんこうちゃん(実はしゃべります)との爽快なやり取りなど、様々な魅力をもつひよりんに、虜にされたリスナーも多いことだろう。

「県公認」のVTuberとしての活動にも注目しておきたい。成人式やe-sport大会など、これまでに数多くの県公式のイベントに出演するだけでなく、茨城県産の商品とも積極的にコラボしており、その実績はなんと200件を超えるという。

このフットワークの軽さは、「茨ひより」というキャラクターの規約にある。というのも、「茨城県のPR、県産品の販路拡大、県の産業振興等に繋がる利用」であれば、茨城県に申請することで無料での利用が可能となるからだ。所謂「お役所仕事」としての広報でなく、VTuberとして新しい時代の広報を模索している点でも、非常に目の離せないポイントだ。


ひよりんの宣伝をひとしきり行ったところで、いよいよ本題に戻ろう。

今年の超会議で、茨ひよりちゃんの出演する茨城県ブースは、ホール6のB50に展開していた。ブースでは茨ひよりちゃんの等身大パネルがお出迎え。ここでは、茨城県産品やグッズの販売に加え、茨城県の特産品が必ず当たる「ひよりんガチャ」や、茨城県のオリジナル品種のメロン、「イバラキング」のつかみ取りといったコーナーも用意されており、多くの来場者がブースに足を運んでいた。

メロンのつかみ取りは大人気で、超会議1日目では、何と開始1時間で売り切れ。担当者曰く「まさか2つ以上同時につかみ取る強者が現れるとは想像していなかった」とのこと。

メロンのつかみ取り なお一個もつかめなかった場合でも、オリジナル付箋のプレゼントがある

今回つかみ取りできる「イバラキング」は、芳醇な甘味とジューシーさに満ち溢れた垂涎の品種。今回、惜しくも掴み取ることができなかった方は、是非とも茨城県でその味を楽しんでほしい。

たわわに実ったメロン 忘れさられがちだが、茨城県はメロンの生産量は日本一

茨城県産品やグッズ販売のコーナーには、(茨城県民にはおなじみの)カレー達がずらりと勢揃い。ひよりんグッズも、既存グッズに加え、超会議限定販売のグッズが並ぶ。茨城県の老舗コーヒー店「サザコーヒー」とのコラボ商品があるのも、流石は「バーチャル広報課職員」といったところだ。

ブースでは両日ともに、生配信企画として、ひよりんとぷよぷよ対戦ができる参加型のイベントを開催した。彼女との勝負に勝つと、常陸牛などの豪華プレゼントが獲得できるという、とても「一石二鳥」なものであった。ルール説明の際、ひよりんが「私が皆さんに勝ったら常陸牛貰えるの!?」とスタッフさんに確認するも、手を大きくバツ印にされてしまうという一幕もあった。

今回、本ブースの主催である、茨城県営業戦略部 プロモーションチーム副参事の渡邉一彦さんに、茨ひよりちゃんについてお話を伺うことができた。


──茨ひよりさんについて、改めて、ひよりんを広報課に起用した理由をお聞かせいただけますでしょうか。

渡邉さん (茨ひよりさんを起用する前から)茨城県では、YouTubeでいばキラTVのチャンネルより広報活動を行っておりました。しかし、なかなか固定のファンの方が付かず、どうすればよいものかと苦労していました。そんな時に、キズナアイさんを始めとする「バーチャルYouTuber」と呼ばれる方々が、若者たちの間で人気だということを知り、「VTuberさんに茨城県の広報を行ってもらうのはどうだろうか」と考えました。当時こうした取り組みを行っている自治体はなく、実現すれば「茨城県が史上初」になるということもあったので、茨ひよりさんを中心に、若い人たちへ茨城の認知度を上げてもらいたいと思い、起用いたしました。


──渡邉さんの考える、茨ひよりさんの「魅力」はなんでしょうか。

渡邉さん 一番のポイントは、豊かなコミュニケーションができる点だと考えております。例えば、自治体で運用しているTwitterなどでは、情報の発信は行えても、フォロワーからのリプライに反応することなどができませんので、どうしても「一方的な」広報となってしまいます。しかし、VTuberである茨ひよりさんは、様々なメディアを通し、フォロワーやリスナーの方々と相互コミュニケーションができます。また、バーチャルという特性を生かし、リアルでは実現が難しいことも表現できる点も魅力の一つだと考えております。


──これからの茨ひよりちゃんに期待することなどありましたら、お教えいただけないでしょうか。

渡邉さん VTuber文化は、サブカルという日本の文化の中でも、国内外問わず活躍できる要素を秘めた文化だと思います。茨城県職員である茨ひよりさんには、茨城県庁内最大のPRマンとして日本国内外問わず活躍し、より多くの人々が茨城県に訪れてもらえるよう、茨城県の魅力をどんどん発信してほしいと考えております。

ブースの県職員さんと茨ひよりさん

最後に、茨城県をより魅力的な場所にしてくれた茨ひよりさんはじめとする茨城県広報課の方々に、この場を借りて、お礼申し上げます。元茨城県民の筆者として、今後のひよりんの更なる活躍と末永い発展を心から祈り、本記事の締めとしたい。


(Text by ONO SOICHIRO)

関連リンク
・茨ひより(TwitterいばキラTV再生リスト
・いばキラTV(YouTubeTwitter
・ひよりんの部屋(茨城県庁公式ページ