バーチャルキャスト、Quest版ルームをリリース PC版とQuest版のユーザーが自由に交流可能に

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バーチャルキャストは2月17日に、VRライブ・コミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」のアップデートを実施し、Quest版ルームをリリースした。

バーチャルキャストにもともとある「スタジオ」は、VR空間の中からVR空間の外の視聴者とコミュニケーションをしたり、VR空間内でコラボ配信をしたりといった「配信」がメインの機能だった。これに対して「ルーム」では、VR空間内でゲームを遊んだりイベントに参加し、そこで仲良くなった人とフレンドになったりできる。

今回のアップデートで、Quest版バーチャルキャストの世界は「スタジオ」から「ルーム」に完全に置き換わる。スタジオとルームの機能的な違いは下図の通り。

また、今回のアップデートにより、Quest版とPC版の関係性が変わった。従来はQuest版とPC版は別々の扱いで、Quest版で行ける場所は限られていた。今後は、Quest版からもPC版で公開されているルームに同じようにアクセスでき、PC版のユーザーとQuest版のユーザーがプラットフォームの壁を越えて自由に交流可能になる。

ルーム、アバター、アイテム、ロケーションのすべてにおいて「Questだから使えない」というものなくなる。PC版のユーザーは今まで通りでQuest版のユーザーと交流でき、Quest版のユーザーはほとんど意識せずにさまざまなルームにアクセスしたりほかのユーザーと交流できる。

Quest版とPC版の違い

ハードウェアの仕様・性能の違いから、Quest版はPC版と機能面でいくつか異なる部分がある。主な違いは下記の4点。

グラフィックの負荷軽減のための処理
負荷軽減のため、Quest版はグラフィックの設定がPC版における「VR体験優先:低」とほぼ同等の設定となっている。これにより、ポストプロセッシング(映像全体に対するフィルター効果)は適用されない。

アバターやアイテムの負荷軽減のための処理
アバターやアイテムの表示においても、一部Questユーザー側で表示する際に、「Questユーザー側では、自動ポリゴン削減したアバターを表示」「半透明の表現は透過による半透明ではなく、細かい網目のような表現で表示」「輪郭線の表現があった場合はQuestユーザー側では非表示」──といった負荷軽減処理を自動で行う。

一部オブジェクトにおけるチラつき
Questでは処理の都合上、一部オブジェクトがチラついて表示されることがある。これはZファイティングと呼ばれるもので、2つのオブジェクトが近い距離で重なっていると発生する。システム側での対処が難しいため、これが発生しているアイテムやロケーションの制作者に重なっている部分を調整してもらう必要がある。

VR内での有料商品の購入
Quest側ではプラットフォームの都合上、まだVR内での有料商品の購入が準備できていない。こちらは現在どのようなかたちで実現するかも含めて検討中。なお、THE SEED ONLINEのWebサイト上での購入は可能。

リリース後の注意点

またアップデートに際し、下記の3点を注意事項として挙げている。

同一アカウントでの同時ログイン非推奨
Quest版ルームがリリースされるにあたり、仕組み上はPCとQuestが同一のルームに同時に入室可能となったが、その行為は非推奨とする。その操作を行うと、想定外の動作となる場合がある。

ガイドライン
今回のQuest版ルームによって、多様なユーザーがバーチャルキャストに触れることを想定し、2つのガイドラインを設定。「活動ガイドライン」「配信、撮影をする方へ

不具合を見つけた場合の対応
利用時に何らかの不具合が発生した場合、既知の不具合とFAQを確認したうえで該当する項目がなければ、発生した詳しい状況や発生条件を記載してお問い合わせにご報告してほしいとしている。

なお、ニュースリリースではこれから実装予定の機能など、バーチャルキャストの今後の展望についても記載されているので参照されたい。

●関連リンク
・バーチャルキャスト(公式サイトTwitter