【データで見る、ツイ伸び新人VTuber】2021年10月第5週は碧流、九楽ライ、皇ロゼ

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企業・個人を問わず、毎日何十人もの新人がデビューしていくVTuberの世界。一方、すでに業界内には多くの才能が存在しているため、今の「推し」の動画・配信を追うだけで精一杯、新人まで気が回らないというVTuberファンも多いはず。そんな方に向けて送るのが本連載「データで見る、ツイ伸び新人VTuber」です。

分析・執筆は、Twitterのリストから随時3万人以上のVTuberのデータを収集して分析しているmyrmecoleonさんが担当。直近の7日間でTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを数名紹介します。

こんにちは。myrmecoleonと申します。今回も最近勢いのあるVTuberを紹介していきます。以下は直近にTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを並べたグラフです。過去に連載で取り上げたNimuさん、キルシュトルテさん、Enna Alouetteさん、もちこまめさん、紫宮るなさん、HACHIさんも引き続き伸びており掲載されています。今回はここから碧流（へきる）さん、九楽（くらく）ライさん、皇（すめらぎ）ロゼさんの3名をピックアップ。伸びた原因も推測しつつ、プロフィールをまとめました。

VTuberリスト登録のTwitterアカウントから2021年10月25日13時から11月1日13時にフォロワー数が5%以上増加したうちのフォロワー数増加上位
データはTwitter APIより取得（以下同じ）。記事で取り上げたアカウントの棒グラフはオレンジ色に変えている

碧流

動画第1回よりスクリーンショット

碧流さんは武道館声優系Vtuber。あの声優・歌手の椎名へきるさん本人がへきる星の爆発に巻き込まれて概念となり異世界（YouTube）でVTuberデビューしたもので、7つに分離したパーツを集めることで元の身体に戻れるとのこと。動画はYouTubeの「KING AMUSEMENT CREATIVE」公式チャンネルで毎週土曜夜に公開されています。活動は「異世界転生したらしいな、へきる」と題され、11月6日公開の第2話のサブタイトルは「武道館声優が歌えばどんな歌詞も名曲に聴こえるらしいな、へきる」。

椎名へきるさんはゲーム「ツインビー」シリーズのパステル役やアニメ「魔法騎士レイアース」の獅堂光役の声優、ラジオ番組のパーソナリティなどで1990年代に非常に人気を集め、関連して音楽活動も行い声優初の日本武道館コンサートも開催しています。この有名声優のVTuberデビューとあって大きな話題となりました。

Twitter活動開始を含む今回の7日間では3400人以上が彼女をTwitterでフォロー。フォロワーの傾向（該当アカウント群から300名超を無作為抽出の上フォローしているアカウントを集計。以下同じ）を見ると、多数を占めるかと思われた椎名へきる公式のフォロワーは全体の4分の1程度。また月ノ美兎さんやキズナアイさんなどVTuberのフォロワーが全体の半数程度で、全体の3分の1はどちらでもない印象です。杉田智和さん、徳井青空さんなどVTuber活動もしている声優のフォロワーが目立ち、こうした活動に肯定的な声優ファンが広くフォローしている印象があります。

アニメやライトノベルのプロモーション活動としてVTuberが使われる例は近年多く、「シスター・プリンセス」など往年の企画が当時のキャストでVTuberとして改めて目にする機会も増えました。過去には近い世代の声優の宮村優子さんがきっかけで伸びた無頼星れんこさんも紹介しています。VTuberファンには昔からのオタクも多く、根強い人気を背景に懐かしい名前を見る機会もあり興味深いところです。碧流さんの活動には現役の椎名へきるさんのファン以外も注目している印象で、有効なプロモーションとなっているように思われます。

九楽ライ・皇ロゼ

九楽ライ

初配信よりスクリーンショット

皇ロゼ

初配信よりスクリーンショット

九楽ライさん、皇ロゼさんはバーチャルタレント事務所「Re:AcT」からデビューした新人VTuber。過去に紹介した月紫アリアさんの後輩に当たります。10月27日より活動を開始、11月2日に自己紹介動画を投稿、3日に初配信を行いました。初配信に先駆けて30日のかしこまりさん所属などの重大発表配信にも出演し、射貫まといさんら先輩からの質問に答えています。音楽活動に特徴のあるRe:AcTらしくいずれも歌が上手く、九楽ライさんは「フォニィ」、皇ロゼさんは「グッバイ宣言」とそれぞれ歌ってみたも投稿しています。

九楽ライさんはゆるゆるニートゲーマー。首輪から伸びるUSBケーブルは本人も詳しくは知らないとのこと。イメージカラーはライラック、好きな食べ物は硬ぇパン、また香水好きでオリジナル香水を作るのが目標のひとつ。インディーゲームやフリーゲーム、バカゲーなどさまざまなゲームが好きなほか、クリエイティブな側面もあり趣味でイラストを描くほか、Live2Dのスキルもあり配信で使用しているGIFアニメも本人作。ASMR配信も予定しています。担当イラストレーターはんぬさん。

皇ロゼさんは厨二病をこじらせた眼帯JK。FPS・TPSゲームが好きで、初配信ではゲーム「Apex Legends」で5キルするまで自己紹介できない縛り（失敗したら物真似）で開始、初戦0キルで落ちたものの2戦目で5キル・チャンピオンを取り、無事自己紹介できました。ポンコツが可愛く、初配信で開幕ミュートした後の第一声「もうやだ」から一時ファンネーム・配信ハッシュタグが「もうや団」「#もうやだ配信中」になるなどリスナーによくいじられています（ファンネームはその後「皇fam’s」に変更）。担当イラストレーターは和錆さん。

Twitter活動開始を含む今回の7日間ではともに約1700人が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数も2000人近くが登録しました。7日間の新規フォロワーを見るといずれも天川はのさんや獅子神レオナさんを筆頭にRe:AcTの先輩メンバーのフォロワーが7割ほどと多く、特にデビューの比較的近い月紫アリアさんや猫乃ユキノさんのフォロワーが目立ちます。それ以外に白上フブキさんや湊あくあさんなど日本のホロライブメンバーのフォロワーも多く、Re:AcTファン以外のこうした層も関心を持っている様子がうかがえます。

ひさびさのRe:AcTの新メンバーデビューということもありRe:AcTファンの中で注目されたほか、以前の月紫アリアさんもそうでしたがホロライブなど他のVTuberファンからの注目も高いようです。「Re:AcT」は各レーベルユニットでの3Dライブなども目標に進んでおり、今後の展開が期待されます。

（TEXT by myrmecoleon）

 
●関連リンク
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