【データで見る、ツイ伸び新人VTuber】2021年9月第3週は藍沢エマ、SquChan、兎咲ミミ

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企業・個人を問わず、毎日何十人もの新人がデビューしていくVTuberの世界。一方、すでに業界内には多くの才能が存在しているため、今の「推し」の動画・配信を追うだけで精一杯、新人まで気が回らないというVTuberファンも多いはず。そんな方に向けて送るのが本連載「データで見る、ツイ伸び新人VTuber」です。

分析・執筆は、Twitterのリストから随時3万人以上のVTuberのデータを収集して分析しているmyrmecoleonさんが担当。直近の7日間でTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを数名紹介します。


こんにちは。myrmecoleonと申します。今回も最近勢いのあるVTuberを紹介していきます。以下は直近にTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを並べたグラフです。過去に連載で取り上げたNimuさん、八雲べにさん、Selen Tatsukiさん、英リサさん、如月れんさんも引き続き伸びており掲載されています。今回はここから新規または8%以上増加した藍沢(あいざわ)エマさん、SquChanさん、兎咲(とさき)ミミさんの3名をピックアップ。伸びた原因も推測しつつ、プロフィールをまとめました。

VTuberリスト登録のTwitterアカウントから、2021年9月13日13時から20日13時にフォロワー数が5%以上増加したうちのフォロワー数増加上位
データはTwitter APIより取得(以下同じ)。記事で取り上げたアカウントの棒グラフはオレンジ色に変えている

藍沢エマ

初配信よりスクリーンショット

藍沢エマさんはバーチャルeSportsプロジェクト「ぶいすぽっ!」よりデビューした新人VTuber。9月18日に初配信。過去に紹介した八雲べにさんらの後輩にあたります。衣装等のデザインは過去に紹介したCeres Faunaさんと同じ遠坂あさぎさん。

パンと猫が好きな女の子で、「ぶいすぽっ!」で珍しい清楚さから(以前同様に紹介した八雲べにさんはこんなツイ―トしてます)誰が彼女の清楚を崩せるかの企画を先輩運営が画策するほど。ゲーム好きで「ぶいすぽっ!」の先輩の活躍に憧れてオーディションを受けたものの、実力不足からオーディション合格から半年間「Apex Legends」を猛練習してのデビューとなりました。練習の様子を初配信前にツイート、その成果もあり、初のAPEX配信では見事なプレイを見せて配信中にプラチナへランクアップしています。

Twitter開始を含む今回の7日間では6万5000人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数も6万9000人を越え(現在は9万人を越えて早くも10万人近くとなっています)、好調なスタートとなりました。
7日間に増加した新規フォロワーの傾向(該当アカウント群から300名超を無作為抽出の上フォローしているアカウントを集計。以下同じ)を見ると、一ノ瀬うるはさんを筆頭に「ぶいすぽっ!」の先輩メンバーのフォロワーが9割を占めました。ほかホロライブなどのファンも注目を持っている様子が若干見られます。

藍沢エマさんは努力への好感もあり最近の「ぶいすぽっ!」の人気が反映された伸びと思われます。「ぶいすぽっ!」からはさらに紫宮るなさんのデビューも今週末26日に予定されており、こちらも注目です。

SquChan

デビュー配信の録画よりスクリーンショット。胸に抱いているのが「L」

SquChanさんはイラストレーターとしても活動する宇宙猫。遠い宇宙から訪れた月で宇宙船を失ったところ、触手のある不思議な存在「L」と出会い、現在は月を周回する宇宙ステーションからイラスト制作や配信をしています。「L」の影響か彼女も触手が生やすことができ、自分の触手で頭をぽんぽんと叩く動作がキュートです。

デビュー配信で流れ去れた彼女のストーリーを紹介する動画

もともとスイスのイラストレーターとして著名で、最近ではVShojoの公式グッズのイラスト海外ゲーム「ドキドキ文芸部プラス!」のアートワークも手掛けました。以前からYouTubeでスピードペイント動画を投稿、3Dモデルを使ったVTuber的な配信もtwitchでしていましたが、2021年2月に正式にVTuberとしてデビュー配信。以降はtwitchでイラスト制作の様子をよく配信しています。配信は主に英語で、ほかにハンガリー語と、ドイツ語と日本語も若干話せるとのこと。なおこのビジュアルはもともとSquChanさんのオリジナルキャラ「Shyrei Faolan」で、当初はVTuberとしてその名のTwitterアカウントを使っていましたが、現在はイラストレーターとしてのアカウントと統合しています。

今回の7日間では8%増となる6200人以上が彼女をTwitterでフォロー。もともと人気のあるイラストレーターで、今回の伸びは配信で描いてTwitterに投稿した「原神」のファンアートがよく見られた影響と思われます。7日間の新規フォロワーを見るとGawr GuraさんなどホロライブEnglishのメンバーのフォロワーが3割ほど見られますが、大半はVTuberをフォローしていませんでした。多くは海外のイラストレーターをフォローしている傾向があり、新規フォロワーはTwitter上のイラスト投稿に関心のある海外のアカウントが中心と見られます。

日本同様、人気のある海外のイラストレーターがVTuberとして活動する例は多いです。先日アーティストVTuberチーム「Vyugen」というグループがメンバーのシルエットとともに発表され、SquChanさんや今回のグラフにも見えるDya Rikkuさんら、アーティストとしても活動する5名のVTuberが反応しています。そのうちyuniさんは明日25日の本格デビューを予定しており、今後が期待される動きです。

兎咲ミミ

初配信よりスクリーンショット

兎咲ミミさんは「ぶいすぽっ!」所属のチーム「Cattleya Regina Games」のメンバー。以前に紹介した英リサさんと同じチームです。大きなウサミミ型の髪飾りが特徴の女の子で2020年7月に初配信。ほかの「ぶいすぽっ!」メンバーと同様に「APEX Legend」などのFPSはもちろん、さまざまなゲームの配信をしているのが兎咲ミミさんの特徴。最近は特に「Minecraft」を活発にプレイしており、7月に行われた「ぶいすぽ花火大会」では花火打ち上げの裏方作業の多くを兎咲ミミさんが準備しました。藍沢エマさん曰く兎咲ミミさんの印象は「怒られながら一緒にマイクラ配信したい」とのこと。

今回の7日間では12%増となる3200人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数も1900名近く増加しました。このきっかけが「ぶいすぽっ!」がチーム参加したMinecraft公式の企画「秋のマイクラ プレミアム ステージ 〜ゲームストリーマー大集合!〜」2日目公式視点兎咲ミミ視点)。普段からゲームで競う「ぶいすぽっ!」だけにMinecraftでもゲーム操作や弓矢のエイムは皆お手の物、声かけや戦略を駆使して全力で挑み、参加した2日目で優勝。特に兎咲ミミさんは第3戦サバイバルハウスで活躍し、MVPに選ばれました。

7日間の新規フォロワーを見ると橘ひなのさんを筆頭に「ぶいすぽっ!」メンバーのフォロワーが9割を占めました。にじさんじのチームも参加した外部企画での活躍でしたが、どちらかというと最近「ぶいすぽっ!」の他メンバーに注目したファンが兎咲ミミさんにも関心を持った構図のようです。

FPSでの活躍が目立つ「ぶいすぽっ!」の中でMinecraftのプレイ経験が実を結んだ面白い動きでした。「ぶいすぽっ!」は上述の藍沢エマさん・紫宮るなさんら新人デビューに加え、先日も如月れんさん主催の「ぶいすぽ学力テスト」を開催、現在は「ぶいすぽVALORANT紅白戦」を開催中など何かとイベント続きで、グラフでも見えるように直近で伸びているメンバーも多く、勢いがあるグループと言えます。今後も楽しみです。


(TEXT by myrmecoleon

 
●関連リンク
藍沢エマ(Twitter)
藍沢エマ(YouTube)
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兎咲ミミ(Twitter)
兎咲ミミ(YouTube)