平和島XRスタジオがリニューアル、多様な演出に対応できるバーチャル撮影・配信環境を提供

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アークベルが運営するバーチャルプロダクション専用の撮影施設「平和島XRスタジオ」がリニューアルし、設備を拡充した。

新型コロナウイルス感染拡大を背景に増加するバーチャルイベントのニーズに応えるため、既存の設備を拡充し、新しい形の撮影・イベント運営に最適化した環境を整えるとともに、リアルタイム CG 合成システムによるバーチャルプロダクションおよび配信ソリューションを導入することで、さらなる進化を遂げた。

今回のリニューアルでは、既存の第1スタジオを改修するとともに、副調整室としても使える控室を併設した第2スタジオを増設。第1スタジオは3方向の壁面をRホリゾント化に加え、天井にはクロマキー合成用に最適化した照明を常設している。第2スタジオは小中規模の配信スタジオとして利用したり、必要に応じてグリーンバックを設置し、通常のクロマキー合成用スタジオとして使用したりできる。どちらのスタジオも配信機材や専用ネットワーク回線を完備し、本格的なライブ配信に対応している。

また、第1スタジオには Zero Density 社のリアルタイム合成ツール「Reality」と、stYpe 社の光学式カメラトラッキングシステム「RedSpy」を導入。Realityは、VR/AR を活用したハイクオリティーなバーチャル映像表現をリアルタイムで実現できる、最先端のソリューション。「Unreal Engine」を利用したリアルタイムノードベースの映像合成ソフトで、ビデオ I/O、キーイング、合成、レンダリングを単一のソフトウェアで実行できる。

Realityを搭載したワークステーションには、ビデオ I/O カードとしてAJA社のPCIeカード「Corvid 88」が組み込まれており、8系統の SDI(シリアルデジタルインターフェイス)入出力に対応している。RealityとRedSpyの同期には同じくAJA社のHD/SDシンクジェネレーター GEN10を採用し、マルチカメラ撮影の際は、Timecode Systems社のワイヤレスタイムコード同期デバイス「UltraSync ONE」がシステム全体の同期を担う。さらに、メディアサーバーとして「disguise」も導入しており、リアルタイムグラフィックツール「Notch」と併用してビジュアルエフェクトを加えることもできる。Realityとdisguise、両システムの長所を融合させたXR演出ができる点が、他のスタジオにはない「平和島XRスタジオ」の大きな特徴となっている。

●関連リンク
リニューアルに関する詳細
平和島XRスタジオ
アークベル