Shiftall、VRChat向けトラッカー・Haritoraの量産版制作 3万円以下で「フルトラの民主化」

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Shiftallは19日、SteamVR用フルトラッキング・システム「HaritoraX」の開発を発表した。izm氏が個人で手掛けてきた「Haritora」の後継機で、両者の共同制作となる。発売時期は今年の春から夏ごろを、価格は3万円未満を予定。本日より、初回ロット優先予約フォームをオープンし、購入希望者を募る。

「HaritoraX」は、本体以外に追加機器を必要としない、安価かつ省スペースのモーション・トラッキング装置。腰部・脛部・腿部に取り付けて使用し、Oculus Quest 2Oculus Rift SなどのVRゴーグルと組み合わせることで、足や腰を含めた全身の動きをVR空間上に反映させられる。

Oculus Quest 2などのインサイドアウト方式VRゴーグルでは、HMDと両手のコントローラーにて全身の動きを推定しており、下半身の動きが正確に反映されないことがある。フルボディトラッキングを実現する手法は複数あるものの、自宅の壁に特別な装置を取り付ける必要があったり、価格が高かったりと導入のハードルが高かった。

初代モデルの「Haritora」は5つのIMU(慣性計測装置)を使って下肢部の動きを感知し、高いトラッキング性能を実現。接続には汎用的な規格であるBluetoothを用いることでコストを抑えた。

アプリ内でファームウェアの書き込みやSteamVR設定の変更なども完結するようにし、頭と手が動くユーザーに対して、フルトラッキングにするためのハードルを下げることを重視した。

「Haritora」は、izm氏の個人制作で300台以上の販売を実現。予想を大きく上回る注文の結果、納期やユーザーサポートが間に合わなくなるほどであったという。

本プロジェクトは、Shiftall代表の岩佐氏と、「Haritora」開発者のizm氏がVRChat内で出会ったことをきっかけにスタート。「フルトラの民主化」を実現すべく、Shiftallが持つ量産品開発・製造ノウハウで、後継機となる「HaritoraX」を新規設計・開発する。

明日20日より開催するバーチャル空間展示会「クロスマーケット2」において、VR空間内広告を実施し、主たるターゲットであるVRメタバース利用者へ訴求する。

●「HaritoraX」予定仕様
バッテリー:内蔵リチウムイオンバッテリー
連続使用時間:7時間以上
充電方法:USB Type-C
*外部電源から給電しながらの利用も可能
対応プラットフォーム:SteamVR (Windows 10)
出荷予定時期:2021年春~夏
付属品:装着用下半身スーツ、USBケーブル
予定価格:3万円未満(税込)
販売方法:Shiftall直販サイト、Amazon.co.jpを中心としたEC流通に加え、VR機器専門店、家電販売店等

(TEXT by Shuto Uchimura

●関連リンク
VRChat向け下半身トラッキングデバイスHaritoraを個人開発して販売を始めました(izm氏Hatenablog)
Haritoraを業務提携して量産することが決まって嬉しい話(izm氏Hatenablog)
Shiftallニュースリリース
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